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ピエモンテ
トスカーナ
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第九回: バローロ2

イタリアワインの王様である。

「バローロは酸っぱくて渋い。」ひと昔前によく聞いたフレーズである。
僕が以前働いていたロンバルディア州のリストランテの同僚も「トスカーナのワインはまろやかでおいしいがバローロは渋い。」と言っていた。その度に「飲み頃のいい造り手の物を飲んだことがないから、お前はそういうことを言うんだ。」と反論したものであった。

バローロはネッビオーロ種100パーセントである。
このネッビオーロというブドウ、ちょっと特殊なブドウで一般的に酸とタンニンが強い。また、ピエモンテのランゲ地方でしかまともに育たないとも言われている。 収獲時期も遅く、天候に左右されやすい。とこうやって書くといいことがまったくないようなブドウだが、時にはエレガントで奥行きのある、時には厳格で偉大なワインを生み出すのである。

バローロエリアは複雑な土壌で構成されている。以前レナート ラッティのカンティーナへ行った時にバローロ ロッケとバローロ コンカという違うクリュだがほんの数十メートルしか離れていないものを飲み比べたがエレガントなロッケと厳格なコンカの違いに驚いたものであった。 聞くところによると醸造法もまったく同じであった。 いちがいには言えないがバローロ、ラモッラの西側のエリアに優雅で女性的で東のモンフォルテ側にタイトで男性的だと覚えておくといいだろう。

醸造法も今は伝統的醸造法を守っている名人とバリックを使ったモダンな造り手と大きく二つに分かれる。もはやバローロといって一くくりにしてしまうのはナンセンスであり違うカテゴリーとして考えた方がいいと思う。前者の良質なものは長期熟成が可能であり、飲み疲れがなく、飲めば飲むほど味わい深く、伝統料理と合わせやすい。リゾット アル バローロや白トリュフのタヤリン、ストラコット アル バローロとの相性は格別である。反面、飲み頃の判断、バッセンのタイミングが難しく、ヴィンテージによって差が出やすいように思える。

後者の良質なものは一杯目のインパクトが良く、バッセンしてすぐにおいしいものが多いが樽の風味の勝ったものも依然として多く、伝統料理との共存と長期熟成を不安視する声もある。という問題を残している。バローロを取り巻く現状として、モダンな造り手が脚光を浴び、伝統的な名人のよさも見直され、非常にいい循環の中のいると思う。事実この一帯以前は他の町に出て行った若者たちも帰ってきて活気にあふれている。

お薦めの造り手であるが伝統的名人として、
バローロのバルトロ マスカレッロ、ジャコモ ブレッツァ、モンフォルテのジァコモ、アルドの両コンテルノ、バルバレスコの達人でもあるブルーノ ジャコーザ、ラモッラのアレッサンドリア シルヴィオ。

モダンな造り手では
バローロのルチアーノ サンドローネ、カスティリオーネ ファレットのパオロ スカヴィーノ、ラモッラのロベルト ヴォエルッツィオ、エリオ アルターレ、コリーノ ジョヴァンニ、モンフォルテのセゲシオ。

その他その中間的な伝統を尊重しつつ、新しい技術も取り入れている。モンファレット、レナート ラッティ、プルノットなども素晴らしい造り手である。

次回の粟田圭一のワインの楽しみ方講座はバローロ特集です。詳しくはこちら
次回開催日

平成17年 3月6日(日) 15:00から

ソムリエ講師 粟田 圭一 社団法人日本ソムリエ協会 NO.5385
場所 Bella Vita
住所 160−0022 東京都新宿区1−2−11第一日東ビル1F
(新宿御苑駅2番出口より徒歩2分)
電話番号 03−5269−8010
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